発達障がいを抱えるお子さんの高校選びとは

目次

発達障がいを抱えるお子さんの高校進学について、「どんな高校へ行けるのか」「どのように学校選びをすればよいのか」など不安や疑問を抱いている保護者の方は多いかと思います。

もちろん、たとえ発達障がいという特性を持っているお子さんであっても、入試の得点や内申点が合格基準を満たしていれば全ての学校に通うことができます。しかし、入学後にお子さんが安心して通える学校を選ぶには、それぞれの学校の方針や学べる内容、通学頻度を確認したうえで選ぶ必要があるでしょう。特に発達障がいの特性によっては、授業の形式や雰囲気などが高校選びにおいて重要なポイントになります。

こちらでは、お子さんが “通いやすい” と感じられる学校選びのために知っておきたい基礎知識と、選ぶうえでのポイントを紹介します。

通える高校の選択肢は?

まずは、日本国内において高校卒業の資格が取れる高等学校の種類と概要を簡単に紹介していきます。

高校の種類

全日制高校

全日制高校とは、月曜から金曜日の昼間(7~8時間)に授業時間を設けている高等学校を指し、全高校生の約9割強がこのスタイルの高校に通学しています。中学卒業後にそのまま全日制高校へ進むケースが多く、3年間の学年制がほとんど。成績や出席数などが満たなければ進学できないケースもあります。

定時制高校

定時制高校は、全日制高校と同様に平日に通学して学ぶスタイルですが、夜間や日中の短時間(3~4時間)授業を行っている高校のことです。「働きながら」や「不登校経験があり進学が出遅れてしまった」「経済的理由」などの事情を抱えるケースが多いようです。そのため通学する生徒の年齢層は広いのが特徴です。

通信制高校

通信制高校は、全日制や定時制のように毎日登校する必要がなく、通信教材やオンラインなどで学習を進めます。課題に対するレポートの提出と年間決められたスクーリング(登校)、単位取得のための試験をこなして決められた単位を取得して高校卒業を目指します。

特別支援学校

特別支援学校は、障がいを持つお子さんの自立や社会参加に向けて、生活・学習で困る場面を解決できるよう指導・支援することを目的とした学校です。基本的に視覚障がい・聴覚障がい・知的障がい・肢体不自由・身体虚弱などの生徒を対象にしており、教育委員会へ就学希望を申し込む必要があります。

都道府県ごとに設置している特別な学校

都道府県によっては不登校の生徒や発達障がいの生徒に向けて、一人ひとりに柔軟に対応できるような高校を設置しています。これらの高校は、多様なニーズに応えるべく従来の学校システムにない独自の環境を提供しており、通学する時間や学べるカリキュラムなども選択できるよう配慮されているのが特徴です。

これから紹介するスクールは、既に実施されている教育システムの一例です。各自治体ごとに名称・実施時期が異なるため、お子さんの校区や住んでいる都道府県で調べてみることをお勧めします。

チャレンジスクール(東京都)

不登校の経験のある生徒や、長期欠席などの理由で高校中退した生徒などを受け入れる定時制・単位制の東京都立高校のこと。午前部・午後部・夜間部から選べ、基本的には4年間で卒業するペースで平日に通学して学習する。

エンカレッジスクール(東京都)

「エンカレッジ:encourage」は、励ますや力づけるという意味。不登校などで小・中学校では十分な能力を発揮できなかった生徒に寄り添い、再び学習への意欲を取り戻すことを目的にした全日制のスクール。

トライネットスクール(東京都)

インターネットを活用して大学進学や資格取得など、生徒のニーズに応じたカリキュラムを設けて高校卒業を目指すスタイル。「学校に通えない生徒のセーフティ“ネット”」「インター“ネット”を取り入れた教育」「都立高校の“ネット”ワークを活かした幅広い科目」という3本のモットーが基本になっている。

パレットスクール(埼玉県)

不登校経験者や高校中退、働きながら学習したいという生徒のために設けた多部制の定時制高校。地域バランスと交通の利便性を考慮して設置されている。午前部、昼間部の2部制定時制高校と、夜間部もある3部制定時制高校がある。

クリエイティブスクール(神奈川県・大阪府)

小・中学校時代に実力を発揮できなかった生徒に対し、芸術や音楽、デザインなどの領域に重点をおいてクリエイティブな表現やアーティスティックな学びの場を提供するスクール。生徒の個性を尊重して自己表現の場を設けている。

フレキシブルスクール(神奈川県)

神奈川県川崎市や厚木市など実施しているスクールで、生徒のライフスタイルや学習ニーズ、ペースに合わせ、多様な学びの方法を取り入れながら昼夜間の幅広い授業時間帯に柔軟に学べる単位制高校のこと。

フロンティアスクール(神奈川県)

午前部、あるいは午後部に分けて、1日約4時間の授業内容をひとり一人のペースに合わせてゆっくりじっくり学ぶスタイル多部制定時制高校のこと。基本的に4年間で卒業を目指す。

公立か私立か

公立高校と私立高校のどちらを選ぶべきかは、「どれぐらいの支援が必要か」「求めるサポートはどの程度か」に大きく依存します。公立高校の場合、学費を抑えられるというメリットがあるものの、学習面・メンタル面におけるサポート体制には限界がある場合があります。それぞれのメリット・デメリットを把握したうえで選ぶことが大切です。

公立高校への進学

学力試験の点数や内申点に問題がなければ、公立の全日制高校に通うことも可能です。しかし、発達障がいに応じたサポートが期待できるか、という点においては公立高校では難しいと言わざるを得ません

高校では中学時代よりも自発的な活動が多くなるため、対人関係やコミュニケーションに問題を感じているお子さんの場合、どうしても躓いてしまう傾向にあります。またある程度の成績や出席率を保つ必要があるため、学力水準やカリキュラムに問題なくついてけるかどうか、気を配る必要があります

生徒数が多く、メンタル面・学習面におけるケアが薄い公立高校では、不安障がいといった二次障がいを引き起こす可能性も考えられるでしょう。

もちろん、これらのデメリットが発達障がいの特性を持つ全ての生徒に当てはまるわけではありません。気の合う友達や相談できる教師を見つけて、楽しいスクールライフを送る生徒もいます。公立の全日制高校へ通学したいと本人が強く望んでいるのであれば、校風や学校の受け入れ態勢などを確認したうえで選ぶと良いでしょう。

私立高校への進学

公立高校に比べると、私立高校の方が発達障がいを抱える生徒の受け入れ体制が整っているケースが多いと言えるでしょう。運営方針や教員教育の決定権が学校法人側にあるため、指導方針や教育内容が一貫していることが一因として挙げられます。

心理士やスクールカウンセラーが常駐している高校も多く、教師の移動も少ないため発達障がいを理解してくれるような先生に巡り合えれば、恵まれた環境でスクールライフを送れる可能性が高いでしょう。

ただし、全ての私立高校がそうであるとは限らないため、事前にリサーチすることが大切です。

発達障がいを持つ子どもの高校選びで確認すべき4つのポイント

お子さんにとって最適な学習環境を選ぶためには、「どんな支援を求めているのか」「何を目指しているのか」「何を学びたいのか」を保護者とお子さんで改めて確認することが重要です。こちらでは、高校選びの前に押さえておくべき点を4つに整理して紹介します。

子どもの特性を把握する

発達障がいには広汎性発達障がいや学習障がい(LD)、注意欠如・多動性障がい(ADHD)などの他に、発達障がいの傾向が見られるグレーゾーンのお子さんもいます。

それぞれによって悩み事や特性には傾向があるものの、「どの特性が強いのか」や「体調・状況など条件によって違う」などについては一人ひとり異なるため、お子さんが「どの条件で、どの程度サポートしてほしいのか」を明確にする必要があるでしょう。

特にグレーゾーンのお子さんの場合、それぞれの障がいの特性を複数抱えているケースがあります。どういうタイプであるかを正確に把握することで、学校側に求める支援や受けられるアプローチの質が変わるため、学校を選ぶ前に改めて把握する事が大切です。

進学後のサポート内容・支援体制を確認する

学校の支援体制や方針は、各校によって異なります。せっかく入試に合格して進学しても、学校側の発達障がいを抱える生徒のサポートが未熟であったり、支援環境が整っていなければ、うまく通えなくなるケースも考えられます。学校のサポート内容や特徴がお子さんに合っているかどうか、事前に確認することが重要です。

「支援はあるけど、求めている内容ではない」というケースもあります。特に全日制高校の場合、発達障がいの受け入れ体制については公表していないケースがほとんど。カウンセラーの在籍有無や、発達障がいの子どもに対する個別カリキュラムの用意はあるのかなど、直接問い合わせることも検討しましょう。

高校卒業後の進路をすり合わせる

高校を選ぶ際には「高校卒業後の進路」も考慮に入れましょう。近年では、普通科に加えてIT分野・アニメ・漫画・芸能・美容・デザインなど、さまざまなジャンルを学べるスクールも増えています。また、将来的な社会生活を見据えて、コミュニケーションや対人関係、生活の基礎知識に関する指導を行っている学校もあります

高校卒業資格を取得するだけでなく、「進学・就職どちらに向けたサポートを受けるべきか」を決めるために、まずはお子さんの進路を考えてみることも大切です。

子どもの意思を確認する

高校選びを保護者優先で決めるのは危険と言えます。発達障がいのお子さんは強いこだわりを持っていることも少なくないため、意にそぐわない決定をしてしまうと通学のモチベーションが下がり、不登校や退学に繋がる可能性があるでしょう。

保護者の冷静な意見ももちろん重要ですが、大切なのは、お子さんにいろいろな選択肢があることを教えてあげること。情報を与えることで選択肢が広がり、お子さんの視野も広がります。そのうえで、どのような通学スタイルがよいのか、学びたい分野や将来の希望などの意思を確認し、必要ならば専門家と一緒に意見をすり合わせて学校選びを進めましょう。

発達障がいの子どもの進学先で留意すべき点

発達障がいがあることを伝える

「発達障がいを抱えていると知られたら、それを理由に合格できないかもしれない」と心配される保護者もいるかもしれませんが、高校に入学する前に、あるいは学校を決める前にお子さんの特性を包み隠さず学校側に相談するようにしましょう。

お子さんの特性を伝えず入学した場合、学業やスクールライフで困難な状態になったとしても学校側は何も知らずに接するため、結果的に苦労したり悩んでしまったりする可能性があります。そういった状況に陥らないために、入学前に高校側と情報を共有して、協力体制を築くようにしましょう。

学校見学・オープンキャンパスに参加する

学校見学やオープンキャンパスなどに積極的に参加して、実際の学校の雰囲気を掴んでおきましょう。実際に教師や生徒と接することで、お子さんに合う環境であるのかを肌で感じられます。また、校舎のアクセス環境が通学するのに現実的な距離・状態かどうかは、高校の公式サイトや資料だけの情報では不十分なケースも。不明点などは教師に直接質問することもできるので、参加してもほとんど損はないでしょう。

学校の支援体制や個別支援の特徴を確認する

発達障がいを抱える生徒に対する支援体制は、各学校によって大きく異なります。常勤のスクールカウンセラーやソーシャルワーカーがいる・個別の特別カリキュラムがあるなどの支援体制が手厚い学校もあれば、そういったサポート体制が全くない高校もあります。

支援体制の確認ポイントは下記の通りです。

  • スクールカウンセラーやサポート人員が常時在籍しているかどうか
  • 個別のカリキュラムや支援があるかどうか
  • 通級指導があるかどうか
  • 入試時に特別な試験優遇措置があるかどうか

こういったサポート体制を設置している高校であれば、お子さん本人も安心して通学できるでしょう。

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※引用元:興学社高等学院 新松戸校公式HP(https://highschool.kohgakusha.com/)

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※参照元:興学社高等学院 新松戸校公式HP(https://highschool.kohgakusha.com/about/characteristics)令和2年度時点の実績

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