発達障がいの特性を持つお子さんの進路や将来について、不安を抱いている保護者の方は多いのではないでしょうか。こちらでは、「進学か就職か」という選択が近づいている中、お子さんにとって最適な選択ができるような情報を紹介していきます。
発達障がいを抱えるお子さんの場合、高校卒業後の進路は「大学・短大・専門学校などに進学」か「就労」、あるいは「就労のための準備」の3方向に大きく分かれます。こちらでは、この3つの選択肢について順番に解説していきます。
身体障がい・発達障がいを抱えた学生が大学・短大に進学する数は、少しずつ増えています。これは以前より発達障がいに対する理解が深まり、大学入学共通テストや入試で特別措置が取られるようになった・大学入学後に大学からの支援が得られるなど、サポート体制が手厚くなったことが理由に挙げられます。
これらの特別措置は、事前に専門医による診断書・状況報告書を提出することで受けられます。また支援内容は各学校によって異なるため、必要なサポートがあるか予め確認しておく必要があるでしょう。
ただし発達障がいの特性を持つお子さんの場合、興味のあること以外には興味を示さないケースも多いため、進学したいという強い意志があるのか・進学先のカリキュラムの内容と興味がある分野に相違がないかを考慮することが大切。高等教育で学習・研究したことを卒業後にどう生かしていきたいのか、という将来像を見据えたうえで決めるようにしましょう。
| 大学全体の学生数 | 障がい者学生数 | 障がい学生在籍率 | |
|---|---|---|---|
| 令和3年 | 3,055,843人 | 36,414人 | 1.19% |
| 令和4年 | 3,076,995人 | 44,448人 | 1.44% |
※参照元:令和4年度(2022年度)障害のある学生の修学支援に関する実態調査 結果報告書 | JASSO(https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_shogai_syugaku/__icsFiles/afieldfile/2023/09/13/2022_houkoku3.pdf)
| 短期大学全体の学生数 | 障がい者学生数 | 障がい学生在籍率 | |
|---|---|---|---|
| 令和3年 | 120,555人 | 1,780人 | 1.48% |
| 令和4年 | 113,204人 | 2,296人 | 2.03% |
※参照元:令和4年度(2022年度)障害のある学生の修学支援に関する実態調査 結果報告書 | JASSO(https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_shogai_syugaku/__icsFiles/afieldfile/2023/09/13/2022_houkoku3.pdf)
大学や短大と同じように、専門学校でも障がいの特性に応じた配慮を受けられる学校が増えています。
専門学校の場合は、アート・デザイン系や医療関連、IT関連など、卒業後に役立つ専門的な知識・技術の習得が中心です。資格取得のチャンスも多いため、具体的な目標や興味のある分野がはっきりしている場合におすすめ。専門学校ごとに配慮の内容は異なるため、気になる学校があれば、直接問い合わせてみましょう。
障がい者雇用枠などを利用せず就職するケースのことです。発達障がいをオープンにせずに就職する場合、その特性によっては言動・コミュニケーションなどで苦労したり、必要な支援が得られなかったりなどのリスクが考えられます。しかし就職先の幅が広いため、興味のあることや特性を生かした職種であれば、キャリアやスキルを上手に積み重ねられる可能性もあるでしょう。
ですが精神的・身体的負担が続くようであれば、無理せず次のステージに切り替えられるよう周りがサポートしてあげましょう。
障がい者雇用促進法によって、民間企業や公共団体などでは従業員数に対して一定の割合で障がい者を雇用する必要があります。障がい者雇用は、障がい者手帳を所持している方が対象となります。
障がいの種類や特性に配慮された環境・内容に従事できるため、安心して働きやすいのがメリット。しかし、障がい者雇用の枠が少ないため職種の選択肢が狭まる・採用人数が限られるというデメリットもあります。
福祉的就労とは、障がい者の体調や心理状態に合わせ、支援サービスを受けながら福祉サービス事業所で就労する働き方です。福祉的就労ができる施設としては、「就労継続支援A型事業所」と「就労継続支援B型事業所」「地域活動支援センターⅢ型」があり、一般企業で働くことが困難な方を対象に働く場所を提供しています。
地域活動支援センターとは、市町村が地域生活支援事業の一環として提供している通所施設です。地域で暮らす障がいのある人への社会交流や創作的活動、生産活動といった機会を提供・支援する役目を担っています。
特例子会社とは、障がいのある人の雇用促進を目的に設立された子会社のことです。
親会社が特例子会社の意思決定機関を支配していること・親会社と人的関係が密であること・特例子会社で雇用する障がい者は5人以上で全従業員に占める割合が20%以上であること、などの条件があります。障がいのある人の雇用を念頭に置いている会社であるため、一人ひとりの特性に合う業務を提供してくれるのが特徴です。
バリアフリー設備・相談員の配置といった支援体制や、短時間勤務・フレックスタイム、通院休暇制度、服薬・通院などの就労環境が一般企業に比べて整えられている点が特徴。障がい者の特性を生かした能力発揮やキャリアアップに関する相談も可能です。
働く意欲のある障がい者の雇用の場を広げてくれるメリットがある一方で、全国にまだ598社(令和5年6月1日時点)しか設立されておらず、地方エリアほど特定子会社が少ないのがデメリットです。
※参照元:厚生労働省「特定子会社制度の概要」(https://www.mhlw.go.jp/content/001027591.pdf)
高校卒業後、いきなり一般企業へ就職するのは難しいケースも多いでしょう。そんな時に利用できるのが「就労移行支援制度」です。就労移行支援とは、障がい者総合支援法に定められた障がい福祉サービスのひとつで、企業で働きたい障がい者のために必要な知識やスキルを提供する就労訓練の場です。求職活動のサポートもしています。
※医師の判断があれば、障がい者手帳がなくても利用が認められるケースもあります。
障がい者職業能力開発校は、就職を希望する障がい者のために専門的な知識や能力を学べる公共職業訓練施設のひとつです。職業能力開発促進法第十六条に基づき、国立13校、都道府県立6校が全国に設置されています。
さまざまな訓練科目があり、例えばCAD技術やWebデザインコース、OA事務・経営事務・医療事務などの事務系コース、パン・お菓子作りのコース、園芸・機械・建築関係など、様々な職種に関連する技術や知識が学べます。コースによって訓練期間が数ヶ月で終了するものもあれば、1年掛かるものもあります。
自立訓練とは、障がいを抱える人が自立した生活を送ることができるように訓練と支援を行う施設のことです。自立訓練には下記のように「機能訓練」と「生活訓練」の2種類あります。
生活訓練は、就労を目指して生活のリズムやコミュニケーション力を高める訓練として利用できます。
発達障がいを抱えているお子さんの進路については、通学している高校の他にも下記のような専門機関に相談できます。
発達障がいの理解が社会に少しずつ浸透していることや、政府の進める障がい者雇用促進法などによって、高校卒業後の進路は多様化しています。
発達障がいを持つお子さんや、発達障がいの兆候が見られるお子さんの場合は、早めに専門医師の診断を受けてその特性を理解したうえで、早い時期から情報収集を行うことが重要なカギとなります。高校卒業後の進路選びに備えるためには、まず高校進学の時点で発達障がいへサポート体制と卒業後の支援が整っている学校を選ぶことがおすすめです。
お子様の個性を「直すべきもの」ではなく「伸ばすべき才能」として捉え、一人ひとりの歩幅に合わせて伴走してくれる学校があります。
興学社高等学院では、専門的な知見に基づいた「SST(ソーシャルスキル・トレーニング)」を授業に取り入れ、お子様が社会で自分らしく生きていくための土台作りを徹底してサポートしています。
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