障がいがあることで学校に登校したり学んだりするのが困難であったり精神的苦痛にならないよう、学校側は生徒に合理的配慮を提供する義務があります。こちらでは合理的配慮の概要や、知的障がいの特性を持つお子さんへの配慮例などを紹介していきます。
合理的配慮とは、障がいを理由とする不当な差別的取り扱いを禁止するために2016年4月に施行された「障害者差別解消法」に盛り込まれた障がい者の権利のことです。
「障がいの有無は関係なく全ての人が平等であるということ」を基本な考えとし、障がいや疾患の有無に関わらず同じように社会生活を送れるようにするための環境や設備、支援、サービスを提供する内容となっています。
2021年に障害者差別解消法が改正されたことでスタートした合理的配慮ですが、これまでは学校などの行政機関が対象でした。しかし2024年4月1日からは民間の事業者に対しても合理的配慮の提供が義務化されるようになりました。
尚、事業者とは次のように定義されています(※)。
もし事業者側が合理的配慮に反する行為を繰り返せば、行政機関から報告を求められたり、指導や勧告を受けることになります。
※参照元:内閣府リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されます!」( https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/gouriteki_hairyo2/print.pdf)
合理的配慮を受けられる対象者は、障害者手帳の有無は関係ありません。社会の中において、相当な制限を受けるすべての方が対象となります。もう少し具体的に言うと、身体的であったり知的障がいのある方や精神的な障がいのある方、発達障がいの方、長期にわたり就業生活に制限がある方なども対象になります。
反対に病気やケガなどにより一時的に職業生活に制限を受ける方は対象外です。
文部科学省では、実際に学校施設においての合理的配慮の指標を項目ごとに示唆しています。こちらでは、各項目の概要と知的障がい者への配慮について文部科学省公式HP「障害種別の学校における合理的配慮の観点(案)」から引用して紹介します。
その障害によって、日常生活や学習場面において様々なつまずきや困難が生じることから、小・中学校等の通常の教育課程による教育にとどまらず、障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識、技能、態度、習慣を養うことへの配慮を行う。
法律等で定められている教育の目的、学校の目的、学習指導要領に示されている各教科等の目標を前提とし、教育委員会の規則等に従い、地域や学校及び幼児児童生徒の実態に即した学校における指導目標を設定すると共に、幼児児童生徒の障害の状態に応じて、評価規準の調整、指導方法の変更、学習内容の調整、さらには指導目標・指導内容の個別設定を行う。
一人一人の障害の状態に配慮し、学習内容の変更や、学習の量・時間の調整を行う。
一人一人の認知特性を把握し、それに応じた感覚と体験を総合的に活用できる学習活動を通じて、概念形成を促進するよう配慮を行う。
一人一人の障害の状態に応じた情報保障を行うと共に、コミュニケーションの方法を検討するなど一人一人に適した配慮を行う。
一人一人の認知特性、身体の動き等に応じた教材の配慮を行う。
一人一人の障害の状態に応じて、ICTや補助用具等を活用し、学習の充実を図る。
治療やリハビリテーションのため不足している学習や障害の特性から不足している体験などの機会を補うことができるよう、学習内容・活動を設定する。
障害の状態により、他の子どもと比べ時間を要することについては、本人の能力の発達を妨げないように、授業や試験について時間等の配慮を行う。
障害の状態により、実施が困難な活動についての活動内容・方法の工夫、指導上の配慮を行う。
学習予定を分かりやすい方法で知らせておくことや、それを確認できるようにすることで、心理的不安を取り除くと共に、その都度、状況を判断できるようにする。
集団におけるコミュニケーションについて配慮すると共に、他の子どもに対して障害特性等について理解を深めるような教育を行う。
障害の状態と健康状態により指導の内容・方法を柔軟に調整する。障害を起因とした不安感や孤独感を解消し、自尊心を高める配慮を行う。
障害の状態や年齢を考慮しつつ、人間関係作り、学校、家庭、地域での役割作りに配慮する。卒業後の生活や進路を見据えて、一貫したキャリア教育の充実を図る。そのため、体験的活動や就業体験を充実させると共に、本人が自己選択・自己判断する機会を増やし、自分なりの生き方を考え、主体的に進路を選択できるようする。また、それぞれの発達の進んでいる側面を伸ばすことにより、自分の長所の自覚を促す。さらに、社会適応に必要な技術や態度が身に付くよう指導内容を工夫する。
それぞれの障害について、周囲の児童生徒や教職員が理解を深め、配慮や支援の環境作りを行う。また、障害の状態により集団活動への参加が難しい時には、集団を構成するメンバーで障害のある児童生徒の参加の方法を考える機会を設定する。さらに、障害のない児童生徒が支援する機会を設定する(教室移動、日常生活動作、学習活動、学級の係活動等)。
校長がリーダーシップを発揮すると共に、学校全体として専門性の確保に努める。そのため、個別の教育支援計画、個別の指導計画を作成し、指導についての校内の教職員の共通理解を図り、学習の場面等を考慮した役割分担を行う。必要に応じ、学校内の資源(通級による指導、特別支援学級等)を活用したり、適切な人的配置(支援員等)を行う。
医療的ケアを安全に行うことができるよう体制を整備する。
障害のある子どもの不安等の心理的負担を軽減できるよう、全体の学習活動に支障のない範囲で学習環境の整備等を行う。
障害のある子どもについて、他の子どもの理解を推進する。必要に応じて、全員に、その障害特性などについて理解を深めるような教育を行う。教職員、保護者、地域に対しても理解増進を図るような活動を行う。
必要に応じ、特別支援学校のセンター的機能や他校の通級による指導、特別支援学級を活用するなど域内の教育資源を活用して支援体制を整備する(特別支援学校の施設・設備などの活用)。また、障害の状態により、小・中学校では困難な活動を特別支援学校でできるようにする(自立活動、作業学習など)。さらに、教育にかかわる学校のネットワークによるノウハウの共有を行う。
教育センター等地域にある教育資源を最大限活用すると共に、医療、福祉、労働等の関係機関と連携する、あるいは、都道府県等の特別支援教育に係る専門家チームが校内委員会に助言するなどの配慮を行う。
緊急時の対応について、人の動き、避難誘導、危機の予測、避難の方法、避難時の人的体制等、校内体制の確立のためのマニュアルを整備し、一人一人への対応を考える。また、緊急時の対応が十分にできるように避難訓練等に取り組む。
障害のある幼児児童生徒、教職員等が安全かつ円滑に学校生活を送ることができるよう、障害の状態や特性、個別のニーズに応じた環境にするために、スロープ、手すり、便所、出入口、エレベーター等の施設の整備計画時に配慮を行う。また、既存学校施設のバリアフリー化についても、障害のある幼児児童生徒の在籍状況等を踏まえ、所管する学校施設に関する合理的な整備計画を策定し、計画的にバリアフリー化を推進することが重要である。
一人一人の幼児児童生徒の発達、障害の状態及び特性等に応じた指導内容・方法が十分に展開できるよう、自立活動等の学習指導を支援する様々な教育機器等の導入や施設整備を必要に応じて行う。また、幼児児童生徒が、それぞれの障害の認知特性、行動特性、感覚等に応じて、能力を最大限活用して自主的、自発的に学習や生活ができるよう、各教室等の施設・設備について、見えやすさ、分かりやすさなどに配慮を行う。
さらに、幼児児童生徒の学習及び生活の場として、日照、室温、音の影響等に配慮した良好な環境を確保するよう配慮を行う。特に、幼児児童生徒の障害の状態や特性等に配慮しつつ、その健康の保持増進に配慮した快適な空間とすることが重要である。
また、幼児児童生徒が心にゆとりをもって学校生活を送ることができ、他者との関わりの中で豊かな人間性を育成することができるよう、生活の場として快適な居場所を確保するよう心のケアを必要とする子どもへの配慮を行う。
地震等の災害発生時に障害の特性に応じた施設・設備を整備する。
※参照元:障害種別の学校における「合理的配慮」の観点(案)|文部科学省(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/046/siryo/attach/1314384.htm)
合理的配慮を学校側に求めることに対して「先生に申し訳ない」や「自分の子だけ特別扱いされて申し訳ない」「わがままと言われそうで心配」といった感情を持つ保護者もいるようですが、合理的配慮は2016年4月に施行された「障害者差別解消法」という法に基づいた権利です。合理的配慮を求めることは決してわがままではなく、他のお子さんと同様に力を発揮しやすいようにするための工夫と捉えてください。
ただし配慮を提供する学校側にも人材や設備、資源の限界があるため、過度な負担とならないように合理的配慮の内容を両者で相談してすり合わせていく必要はあります。
適切な合理的配慮を受けるには、提供する学校側にお子さんの特性を正確に伝えることが重要です。知的障がいや発達障がいの特性やレベルはひとり一人異なるため、支援して欲しい内容を学校関係者と話し合って決めていかないと学校側は適切な支援を行うことができないからです。
お子さんの合理的配慮については、保護者と教師だけでなく、スクールカウンセラーやお子さんの担当医師などの専門家の力を借りてつめていくことをおすすめします。
軽度・中低度知的障がいやグレーゾーンの
お子さまも安心の学び場

※引用元:興学社高等学院 新松戸校公式HP(https://highschool.kohgakusha.com/)
大切なお子さんが軽度・中低度知的障がいや発達障がい、グレーゾーンであるとして診断を受けていると、今後の将来についてどうしても不安になってしまうでしょう。
しかし興学社高等学院では、障がいがない生徒に接するのと同様に、一人ひとりに共感して寄り添いながら、得意なことを好きなように学ぶことができる環境が整っています。
※参照元:興学社高等学院 新松戸校公式HP(https://highschool.kohgakusha.com/about/characteristics)令和2年度時点の実績
感覚を活かす実践型の授業で、自信を育てる

※引用元:興学社高等学院 新松戸校公式HP(https://highschool.kohgakusha.com/school_life/timetable)
興学社高等学院のリベラルアーツ科では、視覚や聴覚などの「五感」を活かした体験型の授業が中心です。たとえば職業体験や実習を通じて、実際に体を動かしながら学ぶことで、机上の勉強が苦手なお子さんも「できた!」という達成感を得やすくなっています。
また、感覚の特性に配慮したカリキュラムや、行動の背景を理解して支援する「応用行動分析」の考え方も取り入れ、一人ひとりに合った学び方ができます。「わかる」「できる」を積み重ねることで、お子さんの自信と将来への希望が育ちます。
保護者・在校生の声

※引用元:興学社高等学院 新松戸校公式HP(https://highschool.kohgakusha.com/school_life/timetable)
▼ 保護者の声 ▼
※引用元:興学社高等学院 新松戸校公式HP(https://highschool.kohgakusha.com/about/parents)
▼ 生徒の声 ▼
※引用元:興学社高等学院 新松戸校公式HP(https://highschool.kohgakusha.com/about/student)
▼ 千葉県の新松戸校はコチラ ▼
▼ 埼玉県の新越谷校はコチラ ▼
▼ 興学社高等学院のサポート内容や授業風景・口コミをもっと見るならコチラ ▼

興学社高等学院に通う生徒とその保護者、先生からそれぞれの口コミ評判を集めました。 実際に学校に関わっている人達だからからこそ出てくる生の声を、ぜひチェックしてみてください。