「午前中はどうしても動けないけれど、午後になると元気に過ごせる。それなら午後からの登校でも大丈夫なのでは」――起立性調節障害(OD)のお子さんの進路を考える中で、そう感じる保護者の方は多いのではないでしょうか。
一方で、「午後からの登校だと欠席や遅刻として扱われ、単位が取れなくなるのでは」「結局、卒業できないのでは」という不安も同時に浮かびます。通信制高校は午後から通いやすいといわれますが、出席や単位が実際にどう扱われるのかは、あまり詳しく説明されていません。
このページでは、通信制高校の仕組みを一次情報にもとづいて整理したうえで、午後登校を選ぶ際に学校へ確認しておきたいポイントをまとめています。ODの症状や日内変動そのものについては、次のページで詳しく解説しています。
全日制高校では、毎日の出席や科目ごとの出席日数が進級・卒業の条件になる場合が多く、朝の授業を休みがちなODの生徒は、午後に登校できても単位や進級に影響が出やすくなります。全日制での出席日数の壁と、その解決策については、次のページで解説しています。
起立性調節障害による高校留年の危機と
出席日数の壁を越える解決策はこちら
これに対して通信制高校は、考え方の土台が異なります。
通信制高校の教育は、法令(高等学校通信教育規程第2条)で「添削指導、面接指導及び試験の方法により行うものとする」と定められています。レポートの提出(添削指導)、対面での授業(面接指導=スクーリング)、そして試験の3つを組み合わせて、科目ごとに単位を修得していく仕組みです。
文部科学省のガイドラインでは、「単位修得の認定は、教員が行う平素の学習評価に基づいて、最終的に校長が行うこと」とされています。つまり、単位は「午後に登校したかどうか」だけで決まるのではなく、レポートや面接指導などでの日頃の学習評価をもとに認定されるのが基本的な考え方です。
参照元:文部科学省「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」令和5年2月一部改訂(https://www.mext.go.jp/content/20230228-mxt_kouhou01-100002270_1.pdf)、文部科学省「通信制高校に関する関係法令等(抜粋)」(https://www.mext.go.jp/content/20211126-mxt_koukou02-000019190_06.pdf)
同じガイドラインには、放送などの多様なメディアを利用した学習を取り入れる場合に、面接指導等の時間数のうち10分の6以内を免除できる仕組みも示されています。ただし、免除する時間数に応じて報告課題などの作成を求めるなど、学習の量と質を下げないための条件が付いており、実際にどう運用するかは学校ごとに異なります。
ここで押さえておきたいのは、スクーリングの日数や時間帯、出席の数え方は学校ごとに定められているという点です。「通信制だから午後登校でも問題ない」と一律に考えるのではなく、志望校ごとに確認する必要があります。
技能連携校とは、都道府県の教育委員会が指定した技能教育施設のことで、学校教育法第55条により、その施設での学習を提携する通信制高校の教科の一部の履修とみなすことができる仕組みです。技能連携校の基本的な仕組みは、次のページで解説しています。
通信制高校のレポートや試験に加え、技能連携校に通って受ける授業が単位につながる点が特徴です。ただし、午後から登校した日の出席の扱いや、授業ごとの単位の数え方は学校によって異なります。この点は、後ほどご紹介する質問リストで確認しておくと、入学後のミスマッチを防ぎやすくなります。
「午後から通える」と一口にいっても、学校の種類によって仕組みはかなり異なります。以下は、午後登校を考える際の一般的な傾向と、確認したいポイントを整理したものです。
| 学校の種類 | 午後登校の考え方(一般的な傾向) | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 全日制高校 | 学校の配慮として午後からの参加を認めるケースもあるが、対応は学校ごとに異なる | 午後登校の日の出席・遅刻の扱い、科目ごとの出席日数への影響 |
| 定時制高校(午後の部・三部制など) | 時間帯を選べる学校もあるが、決められた時間割に沿って通うのが基本 | 週の登校日数、体調不良で休んだ日の扱い |
| 通信制高校(スクーリング型) | レポート学習が中心で、スクーリングの日程・時間帯は学校ごとに異なる | スクーリングの回数・時間帯、欠席時の補い方、レポートの提出期限 |
| 技能連携校 | 通学しながら提携する通信制高校の単位を修得する仕組み。登校時間の設定は学校ごとに異なる | 午後登校の可否、午後に登校した日の出席・単位の扱い |
※上記は一般的な傾向をまとめたものです。実際の運用は学校・課程によって異なるため、志望校に直接ご確認ください。
定時制高校と通信制高校の違いを、ODの症状の特性から詳しく比較したページもあります。
ODは、症状が午前に強く午後に軽減する傾向があるとされています。その特徴を踏まえると、午後登校を取り入れた1日は、たとえば次のようなイメージになります。
参照元:一般社団法人 日本小児心身医学会「起立性調節障害」(https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/起立性調節障害/)
| 時間帯 | 過ごし方の例 |
|---|---|
| 午前 | 無理に起こさず、体調を見ながら起床。動ける日は、水分・食事をとりながら軽い家庭学習(動画授業やレポートなど) |
| 昼前後 | 食事と休息。体調を見て「今日は登校できそうか」を本人と確認 |
| 午後 | 登校して授業・面接指導に参加。難しい日は無理せず自宅で学習 |
| 夕方〜夜 | 早めに入浴・夕食をとり、翌日に疲れを持ち越さないよう就寝時間を整える |
※これは一般的な過ごし方のイメージであり、症状や治療方針には個人差があります。お子さんの状態に合わせた対応は、主治医や学校の先生にご相談ください。
大切なのは、「毎日午後に必ず通う」ことを目標にしないことです。「行ける日は午後から行く」「難しい日は家で学ぶ」を無理なく組み合わせられる仕組みかどうかが、続けやすさを左右します。
午後登校を前提に学校を選ぶ場合は、パンフレットの「午後からの登校も可能」という言葉だけで判断せず、次のような点を具体的に確認しておくと、入学後のミスマッチを減らせます。
| 確認したいこと | 聞き方の例 |
|---|---|
| ① 午後登校した日の出席の扱い | 「午後から登校した日は、出席・遅刻・欠席のどれになりますか」 |
| ② 午前に動けなかった日の対応 | 「午前に連絡できなかった場合や、当日に体調で休む場合はどうなりますか」 |
| ③ スクーリングの時間帯・日数 | 「必要なスクーリングは午後だけで満たせますか。集中スクーリングはありますか」 |
| ④ 休んだ授業の補い方 | 「欠席した授業は、補講や動画視聴で補えますか」 |
| ⑤ レポートの提出期限と体調不良時の配慮 | 「体調が悪い時期に、期限を調整してもらえますか」 |
| ⑥ 単位認定・卒業までの見通し | 「このペースで通った場合、3年で卒業できる見込みはどのくらいですか」 |
また、2026年7月には通信制高校に関する振興法の改正が成立し、学校の管理運営や教育の質の確保に関する責務が明確化される方向と報じられています。今後、学校選びでは「どのような運営体制で、どのような教育を行っているか」も、あわせて確認する視点が大切になっていきそうです。
参照元:リセマム「通信制高校、改正振興法が成立…質の確保へ」(https://reseed.resemom.jp/article/2026/07/16/13705.html)
技能連携校である興学社高等学院は、提携する広域通信制高校と連携して、高校卒業資格の取得を目指す学校です。ODの生徒の午後登校という観点で、当サイトで紹介している情報を整理します。
興学社高等学院の授業開始は10時で、登校は9時から9時50分の間に各自のタイミングで行います。午後の授業は13時25分から始まり、15時からのショートホームルームを経て、部活動などがない日は15時過ぎに下校できます。全日制のような朝8時台の登校に比べて、午前の早い時間帯を避けやすい時間設計です。
さらに、公式サイトの起立性調節障害のページでは、「午後からの登校・週数日からのスタートもOK」と案内されています。朝起きられなかった生徒を問い詰めるようなことはしないという学校の考え方も示されており、午前に動けなかった日に午後から登校するという選択肢を取りやすい環境といえます。
引用元:興学社高等学院公式HP「起立性調節障害」(https://highschool.kohgakusha.com/about/clm2/)
※2026年10月時点で確認したところ、午後から登校した日の出席の扱いや単位の数え方について、公式サイトに記載がありませんでした。詳細は個別相談や資料請求でご確認ください。
興学社高等学院では、183種類の選択授業から自分で選んで時間割を組み立てられます。午前は休養や家庭学習に充て、午後の授業を中心に履修する、といった組み方も検討しやすい仕組みです。また、固定のクラスを持たず授業ごとに教室を移動する「移動教室制」を採用しているため、体調に合わせて途中から授業に参加しても周囲の目を気にしにくい、と公式サイトで紹介されています。1日の流れや授業の詳細は、次のページでご覧いただけます。
※選択授業の種類数は、2026年10月時点の公式サイト「起立性調節障害」のページ(https://highschool.kohgakusha.com/about/clm2/)の記載にもとづきます。授業数は時期によって変わる場合があるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。
実際に通う保護者からは、次のような声が公式サイトで紹介されています。
「身体の不調もあり毎日登校はできませんでしたが、遅刻(午後から)登校でも明るく元気に迎えてくれた先生方に感謝しております」
引用元:興学社高等学院公式HP(https://highschool.kohgakusha.com/about/parents)
ほかの保護者の声は、次のページでも紹介しています。
ODのお子さんにとって、午後からの登校は体調に合わせた現実的な選択肢のひとつです。ただし、通信制高校は添削指導・面接指導・試験を組み合わせて単位を修得する仕組みで、出席の数え方やスクーリングの条件は学校ごとに異なります。「午後からでも通える」という言葉だけで判断せず、出席・単位・卒業までの見通しを具体的に確認することが大切です。
まずは気になる学校の説明会や個別相談で、この記事の質問リストを手元に、お子さんの体調の波に合わせた通い方を一緒に確認してみてはいかがでしょうか。
朝10時の授業開始や、午後からの登校にも対応した通い方など、興学社高等学院ではODのお子さんの体調の波に合わせた通い方について、個別に相談できます。
まずは資料請求や個別相談会で、お子さんに合った通い方を一緒に考えてみませんか?
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興学社高等学院に通う生徒とその保護者、先生からそれぞれの口コミ評判を集めました。 実際に学校に関わっている人達だからからこそ出てくる生の声を、ぜひチェックしてみてください。